歩いても 歩いても

是枝裕和監督が描く家族のドラマ

是枝裕和監督が、年老いた両親の元に久々に集った家族の情景を静かなタッチで切り取り、人生の喜びと悲しみを浮かび上がらせたホームドラマ。ある夏の日、元開業医の横山恭平とその妻とし子が2人きりで暮らす家に、次男の良多と長女のちなみがそれぞれの家族を連れてやって来る。何気ない団欒のときを過ごす横山一家だったが、この日は15年前に亡くなった長男・順平の命日だった…。

原題:歩いても 歩いても / 製作:日本(2008年) / 日本公開日:2008年6月28日 / 上映時間:104分 / 製作会社:エンジンネットワーク / 配給:シネカノン

★【スタッフ】
監督:是枝裕和(関連作品:『花よりもなほ』)
脚本:是枝裕和
撮影:山崎裕
音楽:ゴンチチ

★【キャスト(キャラクター)】
阿部寛(横山良多)、夏川結衣(横山ゆかり)、YOU(片岡ちなみ)、高橋和也(片岡信夫)、田中祥平(横山あつし)、樹木希林(横山とし子)、原田芳雄(横山恭平)、野本ほたる(片岡さつき)、林凌雅(片岡睦)、寺島進(小松健太郎)、加藤治子(西沢ふさ)

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『歩いても 歩いても』予告編

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★【受賞】
第51回ブルーリボン賞で監督賞と助演女優賞を受賞。

★【感想・批評】

●映画の無料動画で夢心地(2016年1月6日) 
どこにでもいる普通の家族の一幕を丁寧に描いた映画でした。同じ家族の映画でもやっぱり日本の映画は唯一無二の日本感があって、そして是枝裕和監督はそういうものを描くセンスが本当に素晴らしいです。一見和やかだが、顔を合わせないところでちょっとギスギスしている。そんなこと言うなよとか、登場人物皆にそれぞれ思ってしまうような部分、それもどこか納得できてしまうところがあったり。家族ってこうだよねとふと自然に腑に落ちるのです。
●映画FUN (2016年4月23日) 
是枝さんの作品で一番好き。別に大きな事件が起きるわけでも、ドラマチックな展開があるわけでもないのに、ぐっと息をのんで最後まで観てしまう。ここまで丁寧に描写されているのはこの監督の凄さだろうし、俳優陣の脚本に対する深い読解力と演技力も合わさって、完全に本物の家族を表現している。それでも家族にはドラマがある。説明的ではなく、だんだんとディテールが浮き立っていく物語性にこの家族も少しずつ変化していることがわかる。
●BILIBILI (2016年4月24日) 
こんなに優しく、穏やかに「死」を描く作品があるだろうか。本当に自然に涙がこぼれてしまうのだった。素晴らしい脚本と見事な役者の演技。夏の日に実家に集まった家族のそれぞれの複雑な心境が、誰でも口にしたことがあるような自然な会話を使って驚くべき濃密さで描かれる。役者も素晴らしい。とくに樹木希林には脱帽。息子を他人のために失った母親という非常に難しい内面を抱えた人物を見事に演じている。怖いくらいに演技が上手い。
●PARAVI (2016年5月21日) 
人の演技を撮るというよりも、人を見守るような視点からのカメラワークが多いのは、まさに観客もまたこの家族の一員になった気分になる効果のためだろうか。性別、年齢、経歴…見る人によって感情移入する登場人物が変わっていくと思う。久しぶりに実家に帰るちょっとした気まずさや、久しぶり会う親戚との会話など「そういうのってあるよなあ」と思わせるちょっとした描写が冒頭から続くので、他人事とは思えない、変な想いが渦巻くのであった。