そこのみにて光輝く

愛を捨てた男と、愛を諦めた女

芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を、綾野剛と池脇千鶴の共演で映画化。『オカンの嫁入り』の呉美保監督がメガホンをとり、愛を捨てた男と愛を諦めた女の出会いを描く。仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫は、態度は粗暴だが性格は人懐こい青年・大城拓児とパチンコ屋で偶然に知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水商売で一家を支える千夏がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はしだいにひかれていく。しかしそんな時、ある事件が彼らの人生を揺れ動かす…。

原題:そこのみにて光輝く / 製作:日本(2014年) / 日本公開日:2014年4月19日 / 上映時間:120分 / 製作会社: / 配給:東京テアトル

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映画『そこのみにて光輝く』予告編

映画『そこのみにて光輝く』予告編

(C)2014 佐藤泰志/「そこのみにて光輝く」製作委員会


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★【スタッフ】
監督:呉美保
脚本:高田亮
撮影:近藤龍人
音楽:田中拓人

★【キャスト(キャラクター)】
綾野剛(佐藤達夫)、池脇千鶴(大城千夏)、菅田将暉(大城拓児)、高橋和也(中島)、火野正平(松本)、伊佐山ひろ子(大城かずこ)、田村泰二郎(大城泰治)

★【受賞】
第6回TAMA映画賞で最優秀女優賞(池脇千鶴)と最優秀新進男優賞(菅田将暉)を受賞。

★【感想・批評】
宇多丸:週刊映画時評 ムービーウォッチメン
 ↑映画を愛するラッパー宇多丸の痛快な映画評論。

映画FUN (2016年1月19日) 
登場人物がみんな深い闇を抱えていて、鬱になりそうな位の重厚な暗さを醸し出していました。そんな暗い生活で、どん底にいる者同士が出会うことで生まれた一筋の光。それは永遠には続かないかもしれない。それでもそこにすがりつくしかないのかな。役者の演技からも、緊迫や切なさ、不快感、やるせなさ、心が削られていく様子が、ひしひしと伝わってきて、辛くなった。何気ない動作から自然に物語を展開させていく監督の手腕が垣間見れます。
BILIBILI (2016年1月21日) 
名場面が多すぎて記憶の中に次々と埋まっていきます。お気に入りのシーンは終盤10分くらいでしょうか。青年が主人公の家に押しかけた時に主人公がひとしきり殴った後に優しく、また力強く背中をさするシーン。全てを悟ったように抱きしめる姿に人生が詰まっているようでジーンときました。あとはほんとに本当のラスト。青年の姉と主人公が海辺をとぼとぼと歩くシーン。どうしようもない現実の虚しさで未来を思って胸を打たれました。
OPENLOAD (2016年1月24日) 
こういう映画の良さを言語化するのは難しいが、ラスト数十秒から涙腺が緩み、タイトルが出た瞬間号泣した。函館の街で貧困層の暮らしを描く。生活の様子や身なりなど、細かい点にリアルが表れていて、役者の演技もそれを助ける。函館といえば観光地。華やかな場所はいくらでもある。しかし、この映画はそれらを一切映さない。国内だけでなく世界の映画賞を受賞している作品なだけあって、心を震わす素晴らしい一本。ぜひ見てほしい一作だ。